雑記帳

私の頭と心の中

21歳のあの時に結婚しとけば良かった

ご存知の通り私は将来結婚をするつもりがありません。自分のお金や時間は100%自分の為に使いたい。他人に生活の歩調を合わせるのが耐えられない。そんな器の小さい人間であり、私と誰かが結婚する事はお互いにとって不幸しか生み出さない。現時点ではそのように考えています。

この考え方はそれこそ高校生ぐらいの頃から抱いていて、「結婚したい」と思った時期は今のところ人生で一度もないです。ところが、今思えば21歳の時に一度だけ、ある方と結婚すべきタイミングがありました。先にネタバレしてしまうと、その相手と私は今も昔もお互いに恋愛感情は皆無です。

とは言っても、今からするこの話は98%冗談ですが、思い返せば2%は真面目に検討する余地がありました。冗談の中から結婚観を改めて考え直す機会に。

 

 

 

 

その結婚すべきだった相手とは、年に数回会うか会わないかの同じ大学の知り合いです。友達と呼ぶにはおこがましいぐらいで、ごくごくたまに会っては身の上話をする程度。"よっ友"という表現が近いでしょうか。正直大した知り合いでもないのにブログで話の種にするのも申し訳ないので、必要以上の描写はしないように気をつけています。

関係性が希薄とはいえ、とても気さくな方で、たまに会う機会では話が弾むこともあります。これは言わねばならない事として、彼女はとても頭が良く、そして"ぶっ飛んだ"考えをする方だと私は勝手に思っています。というか彼女の知り合いでそう思っている人間は多いのではないでしょうか。経歴、価値観、能力全てが桁外れというか、常人とは住む世界が全く違うという感じで、それ故に会話をすると言葉がポンポン出てくる上にどの話もおしなべて面白いです。

 

 

それで、数年前の飲み会でのこと。学業、キャリア、人間関係…彼女はいつものようにぶっ飛んだ話を次々と繰り出していたのですが、その中でこのような話題を口にするタイミングがありました。

「ウチの大学は学生同士で結婚すると学費が安くなるんだよ。だからとりあえず私と結婚しない?」

本当に学費が安くなるのかどうか私はシステムをよく知らないし事実確認はここでは置いておくとして、彼女は突然こんな冗談を私に振りました。

普通なら多少は驚くべき場面であるし、冗談でも結婚しようと言われたらドキッとするのが正常かもしれませんが、彼女のパーソナリティを知っている人間からすれば特段驚く発言ではありませんでした。仕事、収入、あるいは恋愛観について極端なまでに合理的な考え方をする人である事はとっくに知っています。彼女は偶に理想の異性の話もしていましたが、それと私は完全にかけ離れており、この発言が何ら人間関係として含みを持った言葉ではないことは明らかです。何年か前の酒席でのことなのでよく覚えてはいませんが、その場で他の人にも同じ冗談を言っていたのではないでしょうか。同級生なら誰でもこの結婚の要件には当て嵌まるので。

私も彼女に異性として特別な感情を抱いてはいなかったし、逆に言えば合理的な人間である彼女のこの言葉はからかいではなく理詰めでの帰結なのかもしれないと考え、それ故やや返答に詰まり、この人はいつも面白い話をするなと心の中で思いつつ、「僕は結婚は一生しないつもりだから遠慮するわ笑」と何とか返答していました。結婚しない?と持ちかけられることは21歳では冗談でもほぼない話なので上手い返しが思いつかず、こう答える位しか無かったのですが…。

 

 

 

 

その後、その方とはますます疎遠になり、今は年に1、2回ほどしか会う機会はありません。ツイッターもアカウントは知りながらフォローをしていなかったのですが、つい数ヶ月前に「〇〇さんがいいねしました」の形式で彼女のツイートが久しぶりに目に入りました。

noteを使って重要な事を書いているらしく、何気無しに開いて読んだのですが、そこで彼女はカミングアウトをしていました。全く知らなかったのですが、同性愛者であったそうです。

同性愛者であることは令和のこの時代において珍しいというほどの事ではなく、勿論私は(少なくとも意識の上では)偏見を何も持っていません。そうなんだ〜知らなかった〜と思いつつ流し読んでいました。私が知らなかったのもある意味当然で、元々はバイセクシュアルだった?のがここ数年の中で同性のみに恋愛対象が移り変わっていったそうです。両性愛から同性愛へと性的指向が変化するという人自体、私の他の友達にも居たので特に驚くこともありませんでした。

 

 

 

何気無しに読みページを閉じ、この件は直ぐに忘れたのですが、しばらく月日が経った後で例の飲み会での会話を思い出しました。

思えば、彼女は気になっている特定の異性のこともその飲み会で話していました。だから、そのような指向があるということは全く思ってもみなかったのですが、カミングアウトの話を読んだ後から考えれば、冗談で「結婚しよう」なんて言っていたのもある意味合点がいきます。単なる深読みなら申し訳ありませんが、当時から彼女が異性を愛することへの違和感をもし抱いていたのであれば、そのような冗談が出るのもおかしくはないのかもしれません。

 

 

 

 

さて、私は将来結婚したくない事をいつも公言して憚りませんが、これは裏を返すと「結婚するのが当たり前という世の中は終わって欲しい」という問題意識があります。結婚をしない事で名誉が傷つけられたり、社会的地位に影響があると私個人としては困ります。(この辺は各々の立場から議論があって然るべきだと思います。)つまるところ、私は結婚をしたくない一方で「結婚する事で得る社会的なメリット」には興味を抱いており、羨ましさを感じる部分があります。都合が良いことこの上ありませんが。

 

 

何が言いたいか。女性の同性愛者と結婚して一般的な"結婚生活"はせずに社会的メリットだけ得たい、で済む単純な話ではありません。結婚はお互いの同意、利点があってするものであり、こちらの一方的な損得勘定を押し付けることは以ての外です。それぞれの恋愛面でのパートナーとはどうするのか。将来同性結婚が解禁されたらどうするのか。考えなければならない事は沢山あります。

しかし、一応誰に対しても言っていた冗談とはいえ、結婚の話を振られた身として少しは真面目にこの件から私の結婚観を改めて検討しても許されはしませんでしょうか。

既に世の中では少ないながらも先例があるように、利害関係の一致による性愛の無い結婚、これは、今後生きていく中で一考の余地があるのかもしれません。考えに考えた上で、そのような選択肢を取る可能性が無いとは言い切れない。「結婚したくない」の一点張りで結婚観を古臭いものに縛っているのは、もしかしたら自分の方かもしれません。

(ここまでに書いた話は全て自分本位、自分の利益のみに固執した考えであり、結局自分が凡そ結婚に向いてないことは明らかではあります。)

 

 

 

 

p.s.お相手の方、大した友人関係でも無いのに貴女の都合も考えず、また性的指向を取り沙汰してブログの種にしてしまい改めて申し訳なく思っております。読者も含め、不快な思いをさせていたら申し訳ありません。